Tuesday, September 2, 2014

ギタートリオ

ほぼ1年振りのブログ更新です。あ、前回も同じ書き出しだったか(笑)

自分のバンド"Shu Odamura Trio" を始めてもうすぐ1年です。ギタートリオという編成は演奏する方にとってはかなりチャレンジング。正直な所、自分でもギタートリオのCDをあまり聞く事はあまり多くはないんです。ほとんどの物はこじんまりとした印象か「ギター小僧」感がにじみ出ているかどちらかで、まぁそれが決して悪いわけではないけどピンと来るものは少ない気がします。

もちろん素晴らしいアルバムもあります。最近の人だとジュリアン・ラージのトリオがお気に入りです。逆に言うとまだまだ発展する可能性があるジャンルだと思います。特にジャズギター界はカート・ローゼンウィンケルの登場後、ニューヨークを中心にどんどん進化しています。有名なプレーヤーはもちろん、ジャムセッションでもびっくりするくらい上手い人がいたりするんです。55 Bar やBar Next Doorではギタリストが毎晩出演していて、質のよい音楽が作られています。

また、トリオというフォーマットは最小限の人数なので、各奏者が自分の役割を演奏している瞬間瞬間に見極めて音を出す必要があります。故に自由さがあり、それぞれの奏者が主張しつつも会話がきちんと成立するのです。最小限の音数でバランスをとりつつ、お互い遠慮せず攻めたり崩したり色んな方向に進める、そんな形が理想ですかね。

6月に行ったライブから映像をご紹介。タイトルのプリメラ・ベス( Primera Vez)はスペイン語でファーストタイムの意味。フラメンコ風の作曲に始めて挑戦したのでこの題名にしました。フラメンコ、というと真っ先に思い浮かべるのがマイルス・デイビスとギル・エバンスによる「スケッチ・オブ・スペイン」。このアルバムを知ったのは中学3年生の時。思春期の敏感な時期に出会ったこの音楽は衝撃で、まさに「何じゃこりゃ!」でした(ネタが古くてすんません〜)。それで今や懐かしきカセットテープにダビングして毎晩取り憑かれたように聞いていました。これをきっかけにマイルスにハマり、ギル・エバンスオタクへと突き進むのでした。その後、高校へ進み吹奏楽部でサックスを吹き、そこでもラベルなどのスペイン音楽に影響を受けた曲をよく演奏していました。

そういえば大滝詠一の日本ポップス伝というラジオ番組で、ビゼーの「カルメン」が日本の音楽界に与えた影響を解説していたっけ。フラメンコには何か日本人の血を騒がせる力があるのでしょうか?他にはアル・ディメオラ、パコ・デ・ルシア、ジョン・マクラフリンからなるスーパーギタートリオも日本でギターレッスンを受けていた頃にコンサートの映像を師匠から借りてよく観ていました。実はPrimera Vezはパコの演奏からインスピレーションを得ています。


















ベースは骨太グルーブの山田吉輝さん。彼とは週末のレストランでのデュオや他のバンドでも一緒で、ほぼ毎週顔を合わせています。ドラムのウチダユタカさんはご自身でもバンドを持っていて、作曲家であるが故の楽曲の理解度にはいつも驚かされます。実は年内にこのトリオでレコーディングを予定しています。10代でギターを始め、京都、ボストンそしてニューヨークと移り住んできた中で感じる事、育ててきた音楽のアイデアを初のリーダーアルバムという形で世に発表できればと思ってます。いちアーティストとしてようやくスタート地点に立てそうです。またこのブログにて進行状況をお伝えします〜!